【冬のカタログについてお詫びと訂正】
今年度発行いたしました冬のカタログに記載の郵便振替番号に誤りがございました。
ここに訂正し、ご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。
●郵便振替 郵便振替口座
誤)00790-0-4092 正)00790-0-40925
酒づくり/洗米・浸漬
大自然の恵みである米は、その年の気候に大きく左右されます。毎年同じ品質を望むことはできません。さらに、原料米の種類/精米歩合/米を洗う水の温度/米を浸漬する水の温度によって、米が水を吸う速度は異なります。
このような複雑な条件のもと、目指す酒質を得ようとするには極めて精度の高い限定吸水が必要となります。吸水時間が短いと水分不足のために充分に米が蒸されない、吸水の時間が長いともろみの発酵過程で溶けすぎてしまうなどの問題が生じてきます。
酒造りに最適な状態の蒸米に仕上げるため、杜氏はその年の米質を分析し、蓄積した経験とデータを駆使して、秒単位で洗米・浸漬(吸水)時間を決めるのです。
吉田酒造では、米を10㎏ずつに分け、まず1分間しっかりと糠を洗います。その後、さらに1分間シャワー状の水を米にかけて丁寧に糠を洗い流していきます。米に負担がかかり割れないように、洗米に使用する水は米と同じ温度になるように管理します。
洗米の時、蔵の中からは、蔵人が秒単位で洗米時間を数える活気の良い声が聞こえてきます。
「今年も酒造りが始まったな」と感じる瞬間の一つでもあります。
きっちり2分間洗米された米は、綺麗な水に入れられ浸漬の工程に入ります。浸漬時間は、米の種類/精米歩合/浸漬する水の温度/米に含まれる水分量で全く異なります。
吉田酒造で一番精米歩合が高い35%の米は5分~6分ほどで、目指すべき吸水率に達します。杜氏は、ストップウォッチと米の吸水具合を交互に見比べながらベストなタイミングで米を水から引き上げます。
ベストなタイミングを見極めることは熟練の杜氏でも難しく、水から引き上げられた米は一旦軽く水を切り、必ず測りに乗せて重さをはかり、吸水率を割出し、チェックをします。
浸漬直後の米は、芯は透明で外側だけ水分を吸って白くなっています。この後一晩かけてさらし、米の水分含率を均一にします。
このように、米は目指すべき吸水率になるように水に漬けっぱなしではなく「限定吸水」という方法で丁寧に扱われていきます。
米は酒の命であり、蒸米は麹/酒母/もろみなど後のすべての工程に関わってくるため、吉田酒造は手間を惜しまず丁寧な洗米・浸漬を心掛けています。